情報システム学会 全国大会論文集
Online ISSN : 2433-9318
第7回全国大会・研究発表大会論文集
選択された号の論文の39件中1~39を表示しています
1. 人材育成と人材像(1)
2. 人材育成と人材像(2)
  • 石井 秀人, 小坂 武
    セッションID: 2-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、個人に焦点を当てて、そのビジネス・プロセスのパフォーマンスを向上させるために、情報の不確実性削減に、メタ認知が作用していることを明らかにする。個人が有する希尐資源である時間などを投資するような活動に、就職活動や結婚活動、留学先の決定などがある。それらは繰り返し行う機会が尐ない個人にとってクリティカルなプロセスである。これらのビジネス・プロセスの効果を高めるには、情報処理のみならず、このプロセスをモニター・コントロールするメタ認知が重要であると考えられる。そこで、本研究は、大学生の就職活動のプロセスを取り上げ、メタ認知が重要な要因となっていることを実証的に明らかにすることを試みる。
  • 松平 和也, 小久保 幹紀
    セッションID: 2-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    日本には情報参謀が育たなかったと信じられている。直近の太平洋戦争での情報戦は戦争開始前から負けていた。情報という言葉が明治初年に軍事用語として使われ始めた。そのため、一般の日本人にはなじみがないというのかもしれない。確かに太平洋戦争において、情報の活用は未熟であった。そのため、真珠湾奇襲からして、その奇襲により米国民の意欲を挫いてしまうという目的を達成できなかった。逆にルーズベルト大統領に外交暗号を解読されていて、“リメンバー・パールハーバー”という合言葉で、米国国民の日本への憎しみをあおられ、米国国民一丸となった参戦をはたした。しかも、“日本人はずるい”という言葉が戦争中流布された。誇り高い山本五十六大将は、この戦争開始時の米国への情報伝達について大変気にしていた。不思議なことに、山本大将自身は、司令部に情報参謀を配置しなかった。しかも、自分自身が米国の傍受網にかかり乗機が撃墜されて戦死した。戦後、米軍は日本の諜報技術をつぶさに調べて、陸海軍の一部情報参謀の優秀性を評価している。日本の陸海軍の情報参謀は、情報の無視と軽視の環境下でも地道に努力を継続し、劣勢の中で独特の工夫をしていた[1]。しかしながら、指導者に影響を与えられるだけの知識を有した国家的参謀を育てられなかったので戦争に負けたといえる。現在に至るまで、国家情報参謀は育てられていない。本論文では、日本人の情報活用能力が諸外国に比して遅れていたわけではないことを主張する。と同時に、日本の歴史上国家に貢献した参謀を見出し、彼らが如何に国家情報参謀足りえたかを、彼らの知識獲得の仕方、獲得した知識の分野などから学ぶ。これにより、今後、国家参謀を育成する上で、不足している教育分野を明らかにした。本論から、国家情報参謀育成の知識モデルを示す。国家が、進化的変革を達成しつつ持続的成長を実現するためには優れた人材を育て、その知識資源の有効活用によって、日本国家リーダが正しい意思決定を行うことで日本の政治経済力の一歩前進を期待するのである。
  • 伊藤 重光
    セッションID: 2-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    情報システム人材の育成は古くて新しいテーマである。時代の変化とともに新しい情報技術やマネジメント手法が出てくるので、それらをいち早く身につけることは重要なことだが、一方で環境の変化に対応していく能力を身につけておくことが最重要テーマと言えるのではないだろうか。最近では「変化に強く、自主的に行動できる人材」を育成しようとする企業が多くなっている。今回の発表では「自ら考え行動できる人材」の育成に取組んでいる企業の実例を紹介した上で、当学会が提唱する「人間中心の情報システム」実現に必要な情報システム人材育成について考察を行ないたい。
  • 溝口 徹夫
    セッションID: 2-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    情報システムをビジネスの属性として位置付けて一つの定式化を提示する。その構成は運用・管理・調整・変革という観点を軸とし、その各々を関与者(party誰が)・対象(object何を)・プロセス(Processどのように)・事象(eventいつ・どのような状況で)で表現することとする。その定式化を基に、情報システムを取り巻くいくつかの状況の解釈を行う。その中で、特に調整観点での人間要素に注目し、いくつかの検討を行う。情報システムをビジネスの属性として位置付ける場合と、情報システムがビジネスそのものである場合の比較を行い、科学としてのシステムサイエンスの特性について論じる。
3. ビジネスと情報システム(1)
  • 前田 和昭
    セッションID: 3-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、開発者の視点とビジネスの視点から、オープンソースについて検討する。オープンソースの良さは、無料で利用できるところにあるのではない。無料公開することで利用者と開発者を増やし、開発とビジネスのスピードを加速するところに良さがある。しかし、日本からのオープンソースに対する貢献は、非常に小さいのが現状である。そこで、これまでの経験を踏まえ、また、これから筆者がオープンソースで活動する過程を考慮に入れながら、開発者の視点とビジネスの視点から議論する。
  • 甲斐莊 正晃
    セッションID: 3-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    IT を活用した企業改革がなかなか進まない,あるいは失敗に終わってしまうケースは依然として少なくない.それら の事例を見てみると,失敗するケースに共通するパターンがあることに気が付く.これらの事例を教訓として活かす ことは,IT を活用した企業改革を推進する人間にとって貴重な「転ばぬ先の杖」となる.本稿ではIT 導入を伴う企 業改革プロジェクトが失敗するパターンを紹介すると共に, 改革を成功させるための「業務プロセス改革」「IT 活用 改革」「意識改革」の3つの視点の重要性について論じる.
  • 井田 明男
    セッションID: 3-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    近年,顧客価値の洗練を図るべく,企業を跨るシステム間の連携への要求は高まるばかりである.その実現のため には,企業間のビジネス連携のメリットの追求やSOA の考え方に基づいた独立性の高いサービスの切り出しなど, 業務の専門家にとっての論理的な側面を重視した業務分析の指針が必要となる.しかし,業務分析におけるモデル 化やその実現のための要素技術仕様は年々肥大化・複雑化し,業務専門家のみならず情報システムの専門家にとっ ても仕様を理解し使いこなすのが難しくなってきている.そのため業務フローの作成法も統一されていない.そこ で,今回は将来の企業システム間連携にスムーズに繋がるシンプルで実践しやすい業務プロセスモデリングのガイ ドラインを提案し,ガイドラインに副って作成されたモデルの実現に適したアーキテクチャを検討する.
  • 酒井 孝真, 中川 隆広, 金田 重郎
    セッションID: 3-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    概念データモデリング(Conceptual Data Modeling) の 組織間連携モデル は,組織間で行われている情報の流れを鳥瞰 的に見ることで,業務のあるべき姿を導き出す手法として知られている.しかしながら,実際は情報の流れしか見 ることが出来ないため, 業務の細部にまで目が届かず, 業務の知識が無い者には,あるべき姿を導き出すのは難し い.本稿では,組織間連携モデル に制約理論 (Theory Of Constrains)の対立解消図を組み合わせる手法を提案する.具体的には,対立解消図を作成する過程で得られる「仮定」を 組織間連携モデルにマッピ ングすることで, 業務に関する情報を付加し あるべき姿を導き出す. 総合電機メーカ A 社における物流の統合に適用し有効性を 検証した.
  • 坂口 直也, 中西 義尚, 金田 重郎
    セッションID: 3-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    業務処理システムでは, 一般に,事務処理を手続き的フロー として 実現 する.しかし,手続き的フローでは,業務規則が他の業務規則と融合され,業務規則変更時のメンテナンスは容易ではない.そこで,本稿では,業務規則を制約として表現し,制約とオブジェクトのみでシステムを構成する手法を提案する.データが変更されると,システムは制約を用いて,データ状態の整合性をチェックする.不整合が生じた場合には,ユーザが不整合を解消することにより,業務処理を実現する. 制約は必要十分条件である ため, 業務規則の追加・変更・削除は業務規則毎に独立 しており,業務規則変更に容易に対処できる. 実際に, 自動車税業務についてプロトタイプシステムを構築し,ユーザの操作数を従来システムと比較した.
4. ビジネスと情報システム(2)
  • 島田 智樹
    セッションID: 4-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    重工業を中心とした高度経済成長期は終了し、現在の日本は低成長の時代を迎えている。 この低成長は、先進国間 においても特異なものとなっている。 そのため、日本がより高成長を遂げるための方 策が探られている。その一方、 アメリカは日本よりも高い成長を遂げており、その要因の一つとして情報化投資額の増大が挙げられている。そこ で、日本がより大きな経済成長を遂げるための提言として、企業における情報システムの導入による生産性向上を 考えてみた。
  • ダナンジャヤ レイナルディ, 小坂 武
    セッションID: 4-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    ITの発達によって様々なビジネスモデルが生み出されている。最も抽象度の高いものの一つにVRM(Vendor Relationship Management)がある。VRMの概念はユーザニーズの実現の上で優れるが、具体的な仕組みはまだ存在しない。一方、VRMの概念を実現した近いものにfacebookやLinkedinなどがある。その中でも、facebookが今日、最も利用されているものの一つであることから、本研究では個人のfacebookの利用の仕方に基づいて、VRMの利用可能性を考察する。facebookの日本とインドネシアの利用の差を測定することでVRMの利用可能性を検討する。
  • 河合 勝彦, 春日井 直樹
    セッションID: 4-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    一般消費者のホビー用途として広まったソーシャルメディアは、コンシューマライゼーションと呼ばれる過程を経て、企業の情報システムとしても活用されている。本稿は、ソーシャルメディアを、知識管理システムおよび組織の自律分散的なマネジメント手法に活用する方法について展望する。なお、われわれは、研究者が自ら問題に関与するというアクションリサーチの手法を採用している。本稿では、まず、教育現場におけるマイクロブログの実践を報告し、次に、その実践をもとにして、企業におけるマイクロブログの活用方法について検討する。
  • 永田 奈央美
    セッションID: 4-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    e-Learningコンテンツ開発のプロセスモデルの基本は,ADDIEモデルである.このモデルは,“Analysis:分析”→“Design:設計”→“Development:開発”→“Implementation:実施”→“Evaluation:評価”の5つのプロセスからなり,ソフトウェア開発におけるウォータフォールモデルに酷似している.e-Learningコンテンツの質を向上させるためには,学習者に対して,効果的かつ魅力的にコンテンツを提示し,適切な学習活動を発現させ,結果として学習理解を促進させることである.そこで本研究では,“Analysis:分析”と“Evaluation:評価”の段階における方法論として,定性的な視点からのコンテンツ分析法を探求し,コンテンツの質保証を試みようと考えた.本研究では,コンテンツの中で用いられている図と文章の意味的関係性に着眼し,コンテンツの特徴抽出法を提案した.さらに,その特徴抽出をMoodle上で自動化し,コンテンツ特徴抽出ツールを開発した.
  • 川合 康央, 池辺 正典
    セッションID: 4-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では,まちづくりアンケートの自由記述欄に対するテキストマイニングによる分析から,重要な単語を抽出し, またそれらの共起関係を見ることによって,まちづくりに資する基礎データの抽出を行った.対象地区を神奈川県 藤沢市の湘南台駅地下空間とし,市民から提起された問題点や改善の要望について自由記述で記載されたものを分 析対象とした.店舗やイベント,エスカレーター,エレベーター,自転車利用等について,これまでまちづくり計 画実施主体が見落としていた,数は少ないが重要ないくつかの要望について具体的に特定することが出来た.
5. 社会と情報システム(1)
  • 廣岡 誠之, 石井 嘉明, 矢野 恭平, 杉木 章義, 加藤 和彦
    セッションID: 5-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    近年,クラウドコンピューティングの普及に伴い,リソースの運用・管理に優れたデータセンターの活用が注目 されている.データセンターの形態として,首都圏にある都市型と地方にある郊外型に分けられる.日本では利便 性,障害対応のし易さから都市型を利用している企業が多い.しかし,単一のデータセンターでは,リソース不足 や大規模災害時に安定した事業継続に支障をきたす可能性がある. 本論文では,日本のデータセンターの課題に対して,一つの有効な手段として都市型と郊外型のデータセンター を連携したクラウドコンピューティング環境を構築し,その有用性を述べるとともに,本環境を活用した研究事例 について紹介する.
  • 石井 嘉明, 矢野 恭平, 廣岡 誠之, 杉木 章義, 加藤 和彦
    セッションID: 5-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    e ラーニングシステムは多くの高等教育機関において導入・利用されている.これによって,時間や場所が制限 されることなく,学習できる環境が提供されている.e ラーニングが授業に活用される機会が増えたことで,シス テムへの依存度が高まり,システム障害が授業の運用に大きな影響を及ぼす可能性がある.このような中,近年, クラウドコンピューティングを利用した高可用性の実現が注目されている.本研究では,クラウドコンピューティ ング基盤ソフトウェアKumoi を用い,障害時の動的な仮想リソース変更およびそれに応じた自動アプリケーション 制御により,e ラーニングシステムの高可用性を実現する方法および展望について述べる.
  • 矢野 恭平, 石井 嘉明, 廣岡 誠之, 杉木 章義, 加藤 和彦
    セッションID: 5-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    2011 年に発生した東日本大震災では,システム障害により,多くの地方自治体や公共交通機関において情報発信 に障害が発生した.その結果,被災者は意思決定をおこなうための情報が不足し,安全確認やインフラ復旧状態の 確認など,その後の行動に対する判断に支障をきたすといった問題が発生した.本論文では,大規模災害時に対応 可能な情報発信システムに求められる課題とそれらを解決する方法について提案する.また,提案した方法の具体 的な実現方法として,オープンソースのクラウドコンピューティング基盤Kumoi と地理的に離れた複数のデータセ ンターを活用した広域分散環境を組み合わせた自律ミラーサイトシステムについて述べる.
  • 山上 燦, 飯島 正
    セッションID: 5-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    最近の情報システムでは,より複雑な構造と多彩なタイプのデータが混在したコンテンツを使う機会が急速に増え,複雑な構造を持たせたまま電子的に流通させる必要性 も高まっている. 例えば電子書籍は,従来の紙の書籍の制約を越えて,対話性と細粒度セキュリティが求められると考えられる.そうした要求を満たす電子化文書管理システムをクラウド環境上に展開することを提案する. 本論文では, 今後,患者個人が管理し複数の医療機関で共有利用されることが期待される電子カルテ (EMR),個人保健情報 (PMR) を例として, 主にセキュリティの観点から, 構築中の試作システムを紹介する.
  • 八島 敬暁, 山崎 淳城, 久光 遼平, 飯島 正
    セッションID: 5-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    災害発生時の避難誘導・救護救命戦略など緊急時の計画立案支援のために,地理情報と建造物の設計図という粒度の異なる空間情報を統一的に活用するシミュレーション環境を構築した.必要に応じて国勢調査等の統計情報も地理情報に対応付けて与えることでシミュレーションに利用することができる. 更に, 刻一刻と変化する現場の状況に できるだけ対応した計画を立案するために, 携帯情報端末から現場の情報を収集し,空間情報を更新する機能を持たせた.本論文では,計画立案の基礎となる空間情報サーバ とシミュレーション環境の概要,並びに,津波からの広域避難計画と屋内火災による避難誘導という 2つの適用事例について紹介する. 但し, シミュレーション結果に基づいて計画立 案を行い,その結果を携帯情報端末へフィードバックとして返す機能は,本稿の範囲外である.
6. 社会と情報システム(2)
  • 高木 義和
    セッションID: 6-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    東北太平洋沖地震の際に,宮城,福島,岩手の避難者情報が各県のホームページに掲載された.震災より2週間経過時点における3県の避難者名簿の内容について比較検討を行うと共に,5〜8万人の避難者名簿のデータベース化の試みを通して,情報を利用する場合の問題点を整理し,個人情報を含む避難者情報の適切な公開のありかたについて考察した.その結果,使用目的の明確化,記入用紙の準備,データ記入マニュアルの整備,データベース化の事前準備,倫理規定の整備などが必要と考えられた.
  • 杉野 隆
    セッションID: 6-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    「管理」という言葉の由来を中国清代、日本の江戸・明治時代の文献に遡り、当時における意味を確認する。また、江戸時代に翻訳された中国の小説などを元に、「管理」の意味が変わっていないことを確認する。更に、現在において、品質管理における「管理」の意味、「管理」に対応する3つの英語 administer、control、manageの意味の違いを調べ、PDSサイクル上にプロットすることによって、多義的な「管理」の意味の位相を明らかにする。
  • 本田 正美
    セッションID: 6-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    社会の情報化が進展する中で、世界各国で電子政府の構築が進められている。電子政府政策について、それぞれの国で特徴的な取り組みが展開されているが、なかでも注目されるのがエストニアの取り組みである。エストニアは、SOA(Service-Oriented Architecture)という設計手法に基づき、政府における電子化を推進している。そのエストニアにおける電子政府の基盤となるのが、データ交換層「X-Road」である。本研究では、SOA及びにX-Roadの概要を整理することで、情報システムの構築という観点からエストニアにおける電子政府政策の展開を分析する。この分析を通じて、電子政府の基盤となる情報システムのあり方を示すことが、本研究の目的である。
  • 田沼 浩
    セッションID: 6-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    知的財産権という権利付与の形でこれまで推移してきた著作権制度は、社会全体の情報ネットワークの発達によっ て転換点(岐路)に差し掛かっている。物のような有体を有しない無体としての財に対して、著作権をこれまでの インセンティブ理論を背景にそのまま適用すべきか。日本の法社会学を創設した川島武宜教授の理論と広中俊雄教 授の財貨秩序理論を基軸に、著作権法による市場価値と公共の福祉を核とした「社会秩序」の形成を提唱す るものである。本稿は、情報セキュリティ大学院大学林紘一郎学長が10 年にわたり情報処理学会等で唱えている情 報法の客体論に対する部分的な検証になるものとして論ずる。
  • 伊藤 重隆
    セッションID: 6-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    企業,行政機関等を初め多くの組織はIT(Information Technology)を利用して情報システムを構築し顧客へサービス 提供を行なっています.情報システムは組織の中枢をなす機能の業務処理・サービスを提供する基幹情報システム と基幹情報システムと連携して経営情報,営業情報,統計情報他を提供する情報系サービスシステムおよび基幹情報 システムでは対象としていない取引処理の周辺情報システムがあります.本論文では企業,行政機関等で利用してい る基幹情報システムが稼動停止となった結果,当該システムが提供するサービスが中止となり多くの顧客,国民へ影 響を与えることから基幹情報システムとして考えられるサービス継続方法と今後の課題を提示したいと考えます.
7. 新しい情報システム(1)
  • 金田 重郎
    セッションID: 7-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    質的研究の代表的手法であるGTA(グラウンデッド・セオリー・アプローチ)は,KJ 法と類似性を持つ手法で あり,しかも,KJ 法には見られない,過度の汎化を防ぐメカニズムを持っている.但し,GTA では,テキスト切 片に対する「ラベル」に概念(名詞)を用いる.本稿では,名詞を用いる米国生まれのこの手法は,主語中心言語 である英語を母語とする場合には良いが,主題中心言語である日本語を母語とする場合,使い難い側面を持つこと を問題提起する.そして,1) 係助詞「は」に注目して主題を取り出し,2) ラベルを動詞中心の文に変えて,3)プロ パティに日本語に適した主題抽出手法である「目理方結」を採用した,日本語の特性に合致した修正版GTA を提 案する.
  • 世古 龍郎, 金田 重郎
    セッションID: 7-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    ソフトウェア開発の最上位の要求分析フェーズでは,自然言語記述で要件(仕様)を記述し,これを,概念レベ ルのクラス図に書き換えてモデルの精微化を図る.しかし,クラス図の書き方については,具体的な指針・方法論 を教えるテキストは多くない.本稿では,認知文法の基本的な考え方を準用して,このような曖昧な教育方針にな っている背後に,日本語と英語の「言語差」が存在することを主張する.具体的には,クラス図は,英語の第1 文 型~第5 文型にそのまま対応している.従って,動詞中心であり,「格」を自由に助詞によって指定できる日本語 を,そのままクラス図にあてはめるのは,容易ではない.クラス図を描く前に,日本語による仕様書記述中に含ま れる因果関係や主語となり得る名詞を探す「クリティカルリーディング」が必要と思われる.
  • 今井 祐介, 上仲 良幸, 野田 祐希, 金田 重郎
    セッションID: 7-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    全文検索は,興味はあるが知識が少ない研究分野に関する論文検索を行う場合,ユーザが検索に適したキーワード を知らない ため,不適である.そこで,情報システムに関する論文検索を目的とするユーザの行動状況を分析するため,ペルソナ法を論文検索に適用した.その結果, 開発工程とカテゴリ化された研究分野の積集合を効率的に得られる 仕組みが必要 であることが判明した.本稿では,ペルソナ法により導出された要求を元に設計された,二次元構造(縦軸にカテゴリ化された研究分野・横軸 に開発工程)を持つ論文検索UI を提案する.また,本 UI の利用及び評価を通し,全文検索 UI より役に立つと感じることが出来る論文検索 UI であることを確認した.
  • 佐藤 雄一, 山本 喜一
    セッションID: 7-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    近年,携帯電話やPDA といった携帯端末の高機能化,小型化を背景に,我々は常にそれらを携帯し,様々な場面 で活用している.また現在は,地域の気温や湿度,降雨量などを検知する環境センサが広く設置されている.これ によって,現在自分がいる地域に特化した,様々な情報を得ることが可能になった. そこで本研究では,ユビキタス環境において,ネットワークから得られる環境情報を情報検索に応用すると共に, 携帯端末を用いた直感的なジェスチャ操作によって情報検索を容易にするシステムを実装し,実用性を評価した. さらに,ジェスチャを使ったインタフェースについて実現方法を中心に考察する.
  • 石井 信明, 村木 正昭
    セッションID: 7-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    プラントエンジニアリング,情報システム開発などでは,受注企業に顧客要求への提案自由度があり,提案と設 計を含む見積りにより入札価格が決定する.しかし,入札段階の見積り精度向上には限界があり,受注企業はたび たび予期しない損失を被る.また,過度なプロジェトの受注は新規受注の見積り業務を圧迫し低い見積り精度によ る入札価格決定となり,長期にわたり不採算プロジェクトの増加をもたらす.さらに,競争入札では入札価格の抑 制が働き,見積り精度を予備費として入札価格に反映することに限界がある.すなわち市場環境,供給能力,見積 り精度を多期間にわたり考慮した受注管理が,これら企業の経営安定化に必要である.本発表では,見積り精度情 報を考慮した受注と利益のシミュレーションにより,見積り精度情報の受注戦略への活用について考察を行う.
8. 新しい情報システム(2)
  • 高塚 洋平, 香川 雄平, 石井 愛弓, 飯島 正
    セッションID: 8-1
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    近年のセンサ技術やネットワークの普及,情報処理能力の向上により,それらを活用した新しいサービスが提案 されている.また,それは計算機の中に閉じられたものだけでなく,新しいタイプの入力デバイスや AR (Augmented Reality; 拡張現実感 サービスのように,実世界に拡張されたものもある. 本論文では,カメラをはじめとするセンサを用いて作業者の行っている作業を認識し,作業者に対して支援を行 う手法を提案する.作業者が行っている作業を認識することで,事前に定義された完成図に基づいて,次に行うべ き作業内容を提示することが可能になる. また,習熟した作業者を対象として作業パターンを抽出することで,明 示されていない作業パターンの構築を行い,習熟していない作業者に対して同様な作業支援を行う. 本論文では,そのような作業支援機能を実現する手法およびその環境を提案し,現在構築中の評価用プロトタイ プに関して報告する.
  • 片山 輝彦, 金子 良太, 飯島 正
    セッションID: 8-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    ここ数年にわたって構築中の,オブジェクト指向ペトリネットに基づくワークフロー管理システムの基礎と,それに関連する 研究 プロジェクトについて紹介する.ここで使用するオブジェクト指向ペトリネットは, Nets within Nets 意味論に基づく Reference Net をベースとして,独自に拡張を重ねているものである.この プロジェ クトは現在進行中であり,今回は, 分散開発を 意図し 共同執筆機能を備えたエディタ ,サーバとして ワークフロー の実行を管理するワークフロー エンジン ,ワークフロー参加者が携帯できる Android 端末で実行可能なワークフロ ーモニタ を中心に概観する.
  • 駒井 忍, 村田 茂之
    セッションID: 8-3
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では、システム要件定義フェーズにおけるプロジェクトの成功可否と組織的プロジェクトマネジメ ント成熟度に関する仮説を提示する。この仮説を基にシステム要件定義におけるプロジェクトの成否と組織 的プロジェクトマネジメント成熟度の関係について考察を行い、本研究計画を基に今後の研究においてそれ らの関係を明らかにする。
  • 松浦 有容, 渥美 幸雄
    セッションID: 8-4
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    書評に含まれる感情表現を基にして、 その書評が対象とする書籍の雰囲気を可視化する手法を提案すると共に、提案手法を検証する為のシステムを実装した 。書評という質的データを量的データとして扱うことで書籍の雰囲気を数値化し、その分布を散布図とレーダー・チャートとして示すことで可視化を行う。 本研究では、書評の分析に感情の分類モデルを適用し、書籍の持つ雰囲気を4つに分類する。 書評中の感情表現から、それぞれの雰囲気を示す語句を抽出し、その集計値より書籍が持つ 雰囲気を推測する。散布図により、書評から推測される書籍の雰囲気の分布を示す。 レーダー・チャートにより、雰囲気の推測の基となった書評中の感情表現の分布を示す。
  • 小久保 幹紀, 松平 和也
    セッションID: 8-5
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    情報システム論文(IS 論文)を執筆する活動を妨げる原因のひとつに,論文執筆技術の未熟さが挙げられる.本稿 では、実務家が論文を執筆するための方法論の要件を考察する。方法論の開発のために,IS 論文の特性と執筆活動 を妨げる原因との関係の分析し,また,実務家が論文執筆の経験から導き出した方法論の有用性を検討した.方法 論は,論文執筆時に何をすべきかを,論文の章立てと対応したプロセスの連続として記述することが必要である. 本稿での考察をもとに方法論を開発することにより,IS 論文の効果的効率的な執筆が実現できると考える.ただ し,論文執筆者の業務形態や熟達度は多様であり,方法論の適用範囲を広めるためには,執筆者個人に合わせたプ ロセスを構築するための支援が必要である.
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