日本調理科学会誌
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ヨーグルト調製における硬水の影響
中川(岩崎) 裕子海堀 杏果小柳津 周
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2018 年 51 巻 4 号 p. 217-222

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抄録
 日本人は,カルシウムやマグネシウムなどの摂取が不足しており,その要因の一つとして飲料水に軟水を飲用していることが考えられている。本研究は,原料乳に硬水と脱脂乳を使用し,ミネラル成分を強化したヨーグルトの調製法を確立し,性状を評価することを目的とする。調製したヨーグルトについてpH,乳酸度,硬さ,粘度測定,官能評価および栄養価の評価を行った。
 調製したヨーグルトの栄養成分は,種菌の市販ヨーグルトと比較し,カルシウムとマグネシウム含有量が高く,低エネルギー,高たんぱく質となる。また,原料乳の脱脂乳量が多い程,硬さおよび粘度は高値となり,幼児や高齢者にとっても食べやすいプレーンヨーグルト程度の性状となった。一方,原料乳中の硬水濃度の違いは,力学的特性値および官能評価いずれにも影響が認められず,硬水独特の風味はヨーグルト加工に用いた際には影響しないことが明らかとなった。
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© 2018 一般社団法人日本調理科学会
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