抄録
2012年10月1日現在の日本は,総人口1億2,752万人に対して高齢者人口(65 歳以上)は過去最高の3,079万人,総人口に占める高齢者の割合を表す高齢化率は24.1 %である。加えて少子化の影響もあり,「団塊ジュニア」が高齢期を迎える2060年には,高齢化率は39.9 %になると推計されている (1,2)。 このため現在問題となっている介護士不足や独居・老々世帯の増加がこの先も進行することは明らかである。独居・老々世帯者は十分に介護を受けることが困難 となり,事故が起きた際に発見が遅れるなどして二次的災害や孤独死などの問題へと繋がる。このような問題を解消することを目的としてシステムの開発を行っ た。実験を行った結果,VCTFを使用している家電機器において電源コード外部の磁束密度が非常に小さかったため検知に至らないという問題が生じたが,本手法により多数の家電機器において検知の確認ができた。また家電機器を使用していないにもかかわらず検知を判定するという誤審はなかった。よって提案システムは特定の電源コードを除き有用性がある。今後はこの電源コードに対応した検知方法を見出すことが課題となる。