抄録
画像の高解像度化のためには補間が必要であるが、補間処理は通常標本転換を滑らかに接続することを基本とするため、エッジ等はぼやけてしまうことが多い。従って、単純な補間処理ではなく何らかの鮮鋭化効果を伴うことが望ましい。鮮鋭化の方法としては、一般にはラプラシアン等の線形フィルタが用いられることが多いが、微分に基づく線形フィルタ値の3乗を用いることで、良好な鮮鋭化ができることが報告されている。また、より積極的な高精細鮮鋭化を目的とした研究として、画像の高解像度化処理における高周波成分の生成のために、ラプラシアンの3乗を用いるのが効果的であることも報告されている。本研究では、線形フィルタ処理値の3乗ではなく、各画素間の差分の3乗を用いる方法を提案する。この方法によって通常の補間で得られた画像に対しても効果的な鮮鋭化ができ、目標とする高精細な画像に、より近い画像が得られることを実験で示す。