抄録
CD-SEM(Critical Dimension-Scanning Electron Microscope)は,真空雰囲気の試料チャンバ上に電子照射カラムを搭載した装置である。CD-SEMは試料チャンバ内に搬入された半導体試料に電子線を照射することで微細な回路パターンを測長する。回路パターンの設計ルールは高集積化するため設計ルールの微細化のみならず,3次元立体構造を取り入れることもおこなわれている。プリアライナはCD-SEMに備えられている試料位置決め機構である。回路パターンの線幅,形状を測定・検査する場合,回路パターンを特定するためにシリコンウエハ(以下,ウエハと略記)を基準位置に合わせなければならない。この工程をプリアライメントと呼び,これを実現する機構がプリアライナである。ウエハには結晶配列を示すオリエンテーションフラット(以下,オリフラと呼称)やシリコンの結晶方向を示すノッチ(外周の切り欠 け)などの基準マークが設けられている。プリアライメン トはノッチやオリフラを基準方向に回転させることにより結晶方向の向きを合わせる。さらに,ウエハ中心と回転中心とのずれ量(以下,偏心量と呼称)を補正する。偏心量の計算は1次元イメージセンサ(以下,センサと呼称)を用いて45,000点のウエハ外周データを計測しているため,データ収集や偏心量計算に多くの時間を要する。そこで,本稿ではプリアライメントの実行時間を短縮することを目的として森田,涌井による偏心量計算アルゴ リズムを用い,計測した外周データのデータ数と偏心量の計算精度について検討する。さらに,偏心量と楕円周長の関係についても述べる。