抄録
ソフトウェアを自動でハードウェアに変換する高位合成技術を用いて,組込み画像処理システム用の高性能かつ省電力な非写実的レンダリングハードウェアの開発を行っている。第一段階として,非写実的レンダリングの一つである鉛筆画風画像変換ハードウェアを開発している。高位合成では,バースト転送が可能なパイプライン化されたハードウェアモジュールを生成するため,メモリアクセスの最適化を施した。しかし,この手法では,理想的な性能が得られる反面,出力画像の上側と左側に削れが生じる。本論文では,性能に影響を与えることなく,削られた画像を補正することができる鉛筆画風変換のための高位合成指向のソフトウェアを開発した。実験では,削れのない出力画像が得られ,また,実行時間,回路規模,電力効率への影響も小さいことも確認できた。