日本消化器内視鏡学会雑誌
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本邦における大腸腫瘍と大腸憩室症の関連性に関する検討
中原 良太郎天野 祐二村上 大輔小川 さや香氏原 哲郎岩城 智之勝山 泰志早坂 健司原田 英明多田 育賢結城 崇史宮岡 洋一串山 義則藤代 浩史石原 俊治
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2021 年 63 巻 11 号 p. 2380-2387

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抄録

【背景】大腸憩室症と大腸腫瘍はリスク因子が共通するため,欧米では両者の関連性が報告されている.しかしながら,アジアでは十分に検討されていない.今回,われわれは本邦における大腸腫瘍と大腸憩室症の関連性を多施設研究で評価した.

【方法】2016年1月から2017年12月までの2年間に,3施設で下部消化管内視鏡検査と上部消化管内視鏡検査を受けた5,633人の患者を登録し,大腸腫瘍と大腸憩室の関連性およびリスク因子について調査した.

【結果】大腸憩室症例1,799例(31.9%)(平均年齢70.0歳,男性64.0%)に対して非憩室症例3,834例(66.0歳,男性52.9%)であった.大腸腫瘍の有病率はそれぞれ46.6%と44.2%だった.(P=0.090).早期結腸癌の予測因子を検討したところ,年齢(OR 1.02,95%CI 1.01-1.04,P=0.010),緩下剤(OR 1.76,95%CI 1.17-2.64,P=0.007),胃腫瘍(OR 2.16,95%CI 1.23-3.81,P=0.008),および大腸憩室(OR 1.64,95%CI 1.16-2.31,P=0.005)であった.左側結腸の早期結腸癌は,右側大腸憩室と有意に相関した(RR 2.50,P=0.001).

【結論】大腸憩室症を有する患者は,非憩室症例に比して早期大腸癌をより多く認めた.大腸憩室症の存在は,大腸癌を検出する上で,大腸内視鏡検査の重要な指標となる可能性があると考えた.(臨床試験登録:UMIN000038985)

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© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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