抄録
産業用IoT(IIoT)デバイスに対する模造品の脅威に対して,デバイスから一意の指紋を生成する物理的複製不可能関数(Physically Unclonable Function: PUF)が提案されている。PUFは国際標準化を経て多様な応用が進められており,近年では暗号回路と組み合わせて効率的に実装するSuperSonic-GPUFが報告されている。しかし,この手法は,性能指標の一部が実用性能を満たしておらず,スマートファクトリーのように多数のデバイスから構成される環境では利用できない。そこで本研究では,認証性能を改善するPUF付き暗号回路を提案する。さらに,機械学習手法に対する安全性を評価する。評価実験の結果,提案手法は認証性能を改善し,機械学習攻撃の高い耐性を有することを明らかにした。