抄録
これまでに開発してきた繊維状ワークの不良品の仕分けロボットに対する新たな付加機能として,キャッピングタスクの自動化について検討した。ここでのキャッピングタスクとは,樹脂製の繊維状ワーク本体を樹脂製のキャップに「カチッ」と節度よく装着する作業である。従来,ロボットがグリッパで把持した製品本体をキャッに取り付けようとする際には,高さ方向の繊細な位置決め制御や,ロボット座標系とワーク座標系のキャリブレーションが必要となるだけでなく,押し込み負荷により治具にたわみが発生することもあり,一定量の押し込み動作だけでは安定的な自動化を実現できていなかった。そこで製品がキャップに収まる際の「カチッ」という装着音に注目し,装着音の検知によってロボットの押し込み動作を停止させることで安定的かつ連続的にキャッピングタスクを行えるようにシステムを検討したので報告する。