抄録
近年,気候変動対策としてカーボンニュートラルの達成が重要な課題となっている。森林は大気中のCO₂を吸収・固定する炭素吸収源として重要な役割を担っており,日本ではJ-クレジット制度によりその吸収量が評価されている。森林のCO₂吸収量を高精度に推定するためには,樹高や胸高直径(DBH)といった森林構造パラメータの取得が不可欠である。しかしながら,従来の地上調査は高精度であるものの,労力・時間・コストの負担が大きく,人手不足の影響もあり継続が困難になりつつある。近年,無人航空機(UAV)を用いたリモートセンシングが注目されている。特に,Structure from Motion(SfM)およびLiDARはそれぞれ異なる特性を有しており,両者を統合することは,高精度かつ効率的な森林モニタリングを可能にすると考える。本研究では,UAV取得データを用いた低コストな森林モニタリング手法を構築し,樹高,DBH,ならびにCO₂吸収量の推定精度を評価する。また,季節・気象条件による影響および推定誤差の相互作用を検討する。