抄録
本研究は,安全かつ低コストな休廃止鉱山坑道の保守点検に向け,360度カメラとフォトグラメトリ(SfM)技術を用いた3Dモデル構築手法の精度向上を目的とする。360度動画の撮影時に生じる撮影者や撮影器具の写り込みは,点群の欠損や歪みの要因となる。そこで,物体検出モデルYOLOv11を用いて不要オブジェクトを自動でマスク処理する手法を提案する。素掘り坑道内での模擬変化検出実験において,マスクなし,既存モデル,独自学習モデルの3条件を比較検証した。その結果,提案する独自学習モデルは撮影器具を含むノイズを効果的に除外し,自然特徴点のみに依存する環境下でもアライメント精度を向上させた。これにより,モデル全体の形状歪みや他領域での誤検出を抑制し,微細な形状変化の検出に有効であることを確認した。