抄録
非鉄金属製錬所では,廃電子基板から有価金属を回収するため,測定対象基板と過去に処理した基板との類似性を作業員が目視で判定している.しかし,廃電子基板は種類や部品構成が多様であり,判定数も多いことから,作業員の負担軽減を目的とした類似判定の自動化が求められている.これまでに,ハイパースペクトルデータおよびマルチスペクトルデータを用い,YOLO,形状特徴,ならびにRandom Forestを組み合わせた部品分類法が検討されているが,従来手法ではICを単一クラスとして扱っていたため,小型ICの検出漏れが課題であった.そこで本稿では,ICを大型ICと小型ICに細分化してYOLOを学習し,小型ICのみ信頼度閾値を低く設定する手法を検討した.その結果,ハイパースペクトルデータおよびマルチスペクトルデータの多くの条件でICの再現率が向上し,提案手法が小型ICの検出漏れ低減に有効である可能性が示された.一方,低信頼度の検出候補や重複bboxの増加により適合率が低下したことから,今後は誤検出および重複検出を抑制する処理の導入が必要である.