抄録
近年,日本では少子高齢化の進行に伴い,建設業界における高年齢労働者の増加や人手不足が深刻化している。この課題に対して,画像処理および深層学習を活用した安全管理技術が注目されている。しかしながら,広範囲を監視する建設業界では,遠距離の作業員は画像中で小さく映るため,人物検出精度が低下するという課題がある。本研究では,遠距離人物の検出精度向上を目的として,背景差分処理および過去フレームの人物検出結果から人物候補領域(ROI)を生成し,当該領域にコントラスト強調およびエッジ強調を適用する手法を提案する。さらに,人物セグメンテーションによって抽出した人物領域のみにコントラスト強調およびエッジ強調を適用する手法についても検討した。実験の結果,人物領域のみにエッジ強調を適用する手法が最も高い性能を示し,Precision 97.57%,Recall 93.72%,AP50 93.04%を達成した。また,ベースライン手法として比較してAP50は3.97ポイント向上し,提案手法の有効性を示した。