2004 年 11 巻 p. 309-318
我が国では, 欧米先進諸国で実施されてきた事業手法を基に, いわゆる “ニュータウン” と呼ばれる多くの宅地開発事業が行われてきた.しかし, これらの開発は事業リスクの大きさや画一化した居住環境さらには地域コミュニティを形成する機能の欠如などにより, 現代の社会経済状況に適合できない多くの課題を抱えている.高度情報化, 少子高齢化, 国際化といった今後確実に発生する社会状況の変化を考えると, これまでの方法とは異なった, 新しい開発コンセプトを見出して行かなければならないと考える.
本論文は日本や欧米諸国で行われてきたニュータウン開発事業を再検証し, 我が国の社会変化に対応可能な, ニューコミュニティ開発のためのコンセプトについて論じるものである.