抄録
阪神高速道路淀川左岸線大開工区は、開削トンネル (箱型断面) からU型擁壁へ移行する地下構造形式である.特にU型擁壁底面は液状化の可能性のある砂質系地盤に位置しており、この地盤が地震時に液状化した場合、函体の浮き上がりが懸念されるため、その対策について検討を行った。対策効果、工費等比較検討の結果、対策工法として遮蔽壁により側方の液状化地盤が函体下方へ回り込むのを防止する「遮蔽壁を用いた液状化対策工法」を採用することとした。遮蔽壁としては施工時の仮設土留め鋼矢板を残置し有効利用することとした。本論文は、対策工法の比較検討および「遮蔽壁を用いた液状化対策工法」の概要、効果、設計手法、建設マネジメント面からの課題を報告するものである。