2006 年 13 巻 p. 315-323
本論文は建設マネジメント委員会環境修復事業マネジメント研究小委員会 (下池季樹小委員長、三村卓副小委員長) における研究内容の一部を取り纏めたものである。
土壌・地下水汚染問題の解決を目指した土壌汚染対策法 (以下、土対法) の成立や関連する条例などの整備により、環境修復事業が全国的に進められている。土対法で定義される汚染をはじめ定義されない場合においても、これらの法令に準拠し、調査、計画、対策が実施されている。しかし、土対法などの法令は汚染の定義や環境修復事業の枠組を示しているものであって、実際の事業では様々な問題が生じている。特に有害物質を起因とするリスクの顕在化が多くの事業でみられ、これを低減あるいは防止することは事業を進める関係者にとって重要な課題となっている。
ここでは、環境修復事業におけるリスク顕在化をどのようにすれば防止できるのか、そのマネジメント手法を提言するにあたり、事業全般におけるリスクを抽出し、それが顕在化した場合の影響について分析を行った。