2006 年 13 巻 p. 371-376
首都圏での自然と共生した流域圏・都市の再生に資することを目的として, 水と緑の環境インフラの変遷および現状を把握し, 今後の都市計画, 国土計画における活用について考察した. 首都圏における環境インフラはこの百年間で大きく喪失したが, 今なおまとまった緑や都市の骨格となりうる河川・水路が残されていることを示した. そして, 首都圏の水と緑の環境インフラの保全・再生では, これまでは取り上げられていない中川・綾瀬川流域の河川網や水田を例に, それらが保全・再生すべき自然環境として認識されてよいことを示した.