2007 年 14 巻 p. 135-142
軽仮設材は, 長期間繰り返し利用により経年劣化するため, 実際に現場で使用された期間を把握し, 定められた期間を過ぎた場合は使用を止めることが望ましいが, 現状ではそうした管理は行われていない. 著者らは以前, UHF帯のパッシブICタグを用いて軽仮設材に貼り付けた場合のID番号の読取り実験を行ったが, 使用したICタグは柔らかく, 衝撃に弱かったため, 被覆を工夫する必要があった. 今般, 耐衝撃性に優れた金属で被覆された2.45GHz帯パッシブICタグが開発されたことから, 本研究では, 軽仮設材に設置し, その読取り性能に関する実験を実施した. その結果, 軽仮設材に利用可能であることがわかった. さらに, ICタグをベースにした軽仮設材情報管理用データベースシステムのプロトタイプを開発した. データベースにはリレーショナルデータモデルを採用し, 各部材に関するデータとリースに関するデータ等5個の表を作成した. 本システムを複数の仮設材の読取り実験に使用し, 実使用期間算定および通知による維持および廃棄管理が可能であることを示した.