2007 年 14 巻 p. 87-98
本研究では, 路上障害物 (路上落下物, 路面の変状・損壊, 道路付帯施設の破損・損壊など) の撤去・修繕を目的として実施される道路巡回業務に対して, 路上障害物の信頼水準と予算制約の関係に基づいて望ましい巡回方策を決定するための方法論を提案する. 具体的には, 路上障害物の発生過程のモデル化に際して, 多様な路上障害物の到着率の異質性を表現するために, 到着率が確率分布 (ガンマ分布) するポワソンガンマ発生モデルを定式化する. つぎに, ポワソンガンマ発生モデルを用いて障害物発生数の確率分布を表現することにより, 路上障害リスクの管理指標をモデル化する. その上で, 所与の予算制約の下で, 路上障害リスクを可能な限り小さくするような望ましい巡回方策を検討する方法論を提案する.