建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
予算制約下における鋼鉄道橋の補修優先順位の決定
杉崎 光一貝戸 清之
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2007 年 14 巻 p. 99-112

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抄録
社会資本に対するアセットマネジメントを実践する際には, 費用最小化だけでなく, 費用対効果の最大化も視野に入れた補修戦略を立案することが重要である. そこで, 本研究では, 費用対効果を指標として採用し, さらに過去の補修実績を意思決定に反映することが可能な補修優先順位の決定法を提案する. また, 提案手法の妥当性を, 鋼鉄道橋30連を対象とした実証分析を通して検証する. 実証分析では, 実際に鋼鉄道橋30連に対する目視検査を実施して, 現状の損傷や変状を把握するだけでなく, 近い将来に発生が懸念される損傷・変状も抽出し, それぞれについて技術者の経験から劣化予測を行った. その上で, 全橋に対する費用対効果を比較することによって, 補修優先順位を具体的に決定した. さらに, 補修による長寿命化効果を定量化して, 予算制約の有無が補修戦略や期待余寿命に及ぼす影響を示した.
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© 社団法人 土木学会
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