1994 年 2 巻 p. 11-22
わが国の公共工事の制度改革が本格化している。公共工事標準請負契約約款も国際化へ対応すべく見直し検討の時期にきている。平成6年1月、わが国政府は、「公共事業一入札・契約手続き改善に関する行動計画」を決定して、発表した。海外建設業者の参入に対応するアクション・プランである。わが国の契約図書はいままで国内建設業者を対象として作成されてきた。今後は海外建設業者も視野に入れ、契約上の紛争を未然に防止する必要があろう。本論文は、わが国の公共工事約款、米国連邦政府約款およびFIDIC約款を比較することにより、海外の公共工事約款内容・実情を調査し、さらに国際工事におけるFIDIC約款修正版の運営状況も考察したものである。