抄録
本研究では、従来あまり科学的な方法論として体系的に捉えてこられなかった “開発プロジェクトのプロポーザルの方法” を以下のような形で整理し、計画論・システム論的な側面から検討を加え、合理的な方法論を策定システムとして開発するために研究を行なったものである。すなわち、ここでは、地方自治体をはじめ、各種組合や地元関係者へ提案するために必要な土地開発プロジェクトのプロポーザル策定において、開発コンセプトをはじめ、導入機能の構成、施設の規模や配置、自然・景観環境・地元要望・事業採算性等々、土地開発プロジェクトに関わる諸条件を総合的に勘案し、それらを多様にかつ柔軟に組み合わせることによって、目的達成度の高い土地開発プロジェクト企画案の策定とそのプロポーザルを作成するためのシステム論的方法を確立することをめざした。そのため、ここでは複雑で膨大な作業方法の一連のシステムにCADシステムを取り込むことによって、効率的かつ迅速に検討作業を行うことができる企画案策定とそのプロポーザル作成のためのシステムの開発研究を行なった。
また本研究では、京都市近郊の田園都市亀岡市における具体的な土地開発プロジェクトに本システムを適用することによって、本システムの実用性に関する実証的検討を行うとともに、今後におけるシステム改善の課題や問題点も明らかにした。