建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
我が国における社会資本の限界生産性と社会資本ストックの将来予測
木村 康博竹内 佐和子吉田 恒昭
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1999 年 7 巻 p. 103-110

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抄録
我が国は戦後、急速に社会資本を蓄積させてきたが、今後は様々な事情から社会資本整備の財源は非常に限られているといわれている。しかしながら、現在のところデータに裏付けられた現状把握及び将来予測の例は乏しい。本研究では、社会資本整備をフローではなくストック形成として捉え、その地域間、分野間、及び時系列の配分過程を明らかにした。そして、社会資本を生産活動を行うための一要素であると仮定し、社会資本の生産力効果の推移を分析した。その結果、1970年以降、その数値は低下傾向にあることが示された。また、行政投資額に占める用地費や維持補修費、更新費等の割合を明らかにした上で、今後の財政状況により我が国が如何なるストック水準を確保しうるか将来予測を行った結果、我が国が2025年度以降に新たな社会資本ストックを形成することは非常に困難となることが示された。
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