1999 年 7 巻 p. 83-92
本研究では、滋賀県草津市を対象として、地域住民の余暇・スポーツ活動拠点となるアーバンリゾート施設建設の事業化に関して、都市開発問題という観点から種々考察を加えるとともに、数理計画モデルを用いた分析を通じて評価・検討を行った。ここでは、拠点施設開発と交通体系の関係に焦点をあて、問題となっている地域内の交通施設の整備問題を解決し、より効果的な土地開発プロジェクトを計画するための検討を行った。ここでは、事業採算性、地域開発効果、住民の生活水準の向上などの評価視点から多角的に分析し、これらにもとづきプロジェクト案を総合的に評価した。また、地域開発プロジェクトの事業化において近年問題となっている財政問題の解決策の一つとしての民間活力の導入・活用という方法に着目し、民間企業立地に伴うビジネスチャンスの拡大方策に関して考察するとともに、その方策の適用による開発プロジェクトの事業可能性の増大化についての検討も行った.以上のように、本研究では, 数理計画モデルによる分析を通して構想計画段階における開発プロジェクト計画化の方法のに関する考察と、計画内容総合的評価・検討を通して事業化に関わる種々の意志決定のための客観的な判断情報を提供するためのシステム的なアプローチをめざした。