建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
地方都市丘陵部における居住地開発計画効果的実施を目的とした建設プロジェクト構想支援システムの開発研究
春名 攻高 智愛
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2000 年 8 巻 p. 169-178

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抄録

本研究では、これまでの研究成果である「宅地開発プロジェクトプランニング支援のための土地開発計画CADシステム開発に関する研究」、「都市・地域開発事業における居住地開発プロジェクト構想検討に関する方法論的研究」の検討過程をより効果的で効率的なものとするため、事業採算性の鍵を握る造成費の変動に強い関わりを持つ地形設計の方法を中核的システムに据えた建設プロジェクト構想支援システムへと改変するための開発研究を行ったものである。そこでは、まず地形データベースへの入力が中心となる対象地形情報のモデル化を行う段階、高低差を判断基準として物理的・技術的な要件を確保するとともに、概略的に運土作業の効率性を追求することにより、計画地形高を決定する計画地形設計段階、さらには、絞り込まれた代替案群に対して、建設省土木工事積算基準 に基づく算定式による造成シミュレーションによって概略造成費の算定を行う造成費算定段階の3つの段階にわけて捉え、計画地形の実現可能性を先取り的に検討する丘陵部開発計画策定支援システムを考案した。地形高を計画変数として最適化しうるシステムのなかで、NURBS曲面補間を用いた新規な方法によるモデル化をおこない、従来から問題となっていた地形モデル化における作業量の軽減にもっなげることができた。

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© 社団法人 土木学会
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