2001 年 26 巻 p. 109-112
神戸市域において深部地質構造と表層地盤の動的特性に関する地質調査資料を収集整理し、深部地盤の2次元動的地盤モデルと表層の1次元動的地盤の平面モデルを組み合せた「準3次元動的地盤モデル」を神戸市全域 (250mメッシュ) に渉り作成した。その上、兵庫県南部地震の強震観測記録を用いて、擬似スペクトル法による地盤応答解析を行い、神戸市全域の地表の最大加速度及び最大速度分布を求めた。強震動解析の結果、震災の帯状分布は主として深部地質構造形状の影響によるものであり、また被害の島状分布は主として表層地盤特性の影響が強いことが分かり、全体としても強震動推定分布と観測記録及び被害分布とは良い対応関係を示した。この一連の解析手法は、他地域における都市地震防災計画の基礎資料となる「強震動予測地図」作成手法適用の可能性を示した。