抄録
液状化による盛土被害の大部分は, 盛土の支持地盤が液状化することによる盛土全体の沈下に代表される. 既存の対策工では液状化地盤に対して広範囲で大規模な対策が必要であり, 供用後の鉄道盛土に対する適用は困難な場合が多い. 本研究では既存の対策工に比べて鉄道近接条件における施工性, 対策範囲の自由度などで有利な薬液注入工法による対策を中心に, 小規模で効果的な対策工を検討することを目的としてせん断土槽を用いた模型振動実験を実施し, 液状化程度の指標として盛土支持地盤のせん断剛性の低下に着目した沈下抑制効果の評価を試みた.