2004年12月26日スマトラ島沖で発生した巨大地震が, インド洋沿岸の広範な地域において未曾有の津波災害を引き起こした. 2005年1月と2月に実施したタイ南部における現地被害調査の結果, 被災地域における植生の消失が観察された. この結果を基に, 正規化植生指数 (NDVI) の変化を指標とした津波被害地域の推定を試みた. リモートセンシングデータには, 中解像度 (15m) で広域的な範囲を観測でき, 比較的安価なASTERデータを用いた. また, 局所的な被害を詳細に確認できる高解像度衛星画像とインターネット上に公開されている標高データ, SRTM (Shuttle Radar Topography Mission) データの利用に関しても考察した.