抄録
地中構造物の地震時挙動を正確に再現する場合, 構造物と地盤間のすべり・剥離などの相互作用を的確にモデル化することが重要である. しかし, 比較的小口径の円形断面に対する合理的な耐震計算方法は必ずしも確立されていないのが現状である. そこで筆者らは, 下水道管 (φ500mm, 800mm, 1500mm, 3000mm) を対象に, 地盤条件, 寸法, 埋設深度, すべり・剥離効果の有無, 等に関するパラメータスタディを実施し, 管径の大小による影響の違い, すなわち寸法効果の解明 (特に, 地震時周面せん断力の影響) を試みた. その結果として, 径の大小によるすべり・剥離効果の寄与度と応力転化のメカニズムに対する知見を示した.