地震工学研究発表会 報告集
Online ISSN : 1884-8451
土構造物の液状化時安定性評価手法の検討
高橋 千明蔡 飛鵜飼 恵三
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2005 年 28 巻 p. 97

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抄録

液状化地盤における土構造物の耐震設計では円弧すべり計算に基づくΔu法が用いられてきたが, 近年, 動的有効応力解析の残留沈下量による精査が行われるようになってきた. しかしながら, 土構造物の液状化による崩壊パターンとしてクラックやすべり破壊なども考えられるため, 安定計算の有意性も残されているものと考える. 本研究では, 1971年2月9日のSan Fernando地震において被災した2つのダムを対象に, 浸透流解析, 動的有効応力解析およびせん断強度低減法を適用した弾塑性解析を行った上で, 残留変形と安全率の低下を表現できる合理的な土構造物の液状化時安定性評価手法を提案した. 提案した手法を地震時崩壊が生じたLower San Fernandoダムに適用し, 崩壊を良く再現できることを示した.

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© 社団法人 土木学会
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