抄録
地震観測網が整備される以前の地震や規模の小さい地震の震源モデルを推定するために, 震源近傍の一, 二点の観測記録を用いた波形インヴァージョンが役立つ. また, この震源モデルの推定手法は, 強震動シミュレーションにおいて震源パラメータを再調整する際にも有用である. 本論文では, 小田原市久野地区の強震記録を用いた一, 二点のインヴァージョンによる1990年小田原地震 (MJ5.1) の震源モデルの推定 において観察された, (1) 逆断層震源において顕著となる走向とすべり角とのトレードオフ, (2) 地震モーメントの地下構造モデルに対する依存性, 以上の二点について考察した結果を報告する.