2000 年 28 巻 p. 227-232
これまでの河川整備では, 治水・利水政策を重視してきた結果, 河川生態系や河川景観に深刻な影響を与えている。近年, 河川整備においても自然環境や景観を保全することが重要課題となっているが, 河川流域の整備をおこなう上で, 地域住民に関連した多くの問題が残されている。
本研究では, 1999年に北九州市紫川流域の1350名の地域住民, 特に子どもとその保護者を対象としてアンケート調査をおこなった。数量化III類による解析をおこなった結果, 地域住民は子どもにとっての親水空間を求めていることが示された。今後の子どもと紫川の関係を回復していく上で必要な河川整備のあり方について議論した。