絶滅危惧II類に指定されたメダカの生息環境要因を明らかにすることを目的に, 徳島市郊外に広がる全長約71kmの用水路網を対象に, かんがい期と非かんがい期に魚類, 環境調査を行った.その結果, 非かんがい期には用水路への約半分の水路で非湛水化が生じ, メダカの生息分布も減少したが, その傾向は他の魚種で顕著にみられた.メダカの生息には流速10cm/sec以下の環境が必要であり, そのような環境は止水的な小規模水路の他に, 沈水植物群落内に多くみられた.止水的な環境では水質も悪化していたが, メダカの生息に及ぼす影響は見られず, 圃場整備の進んだ用水路では流速が最も制限的な要因として作用していることがわかった.