環境システム研究論文集
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コンクリート及び木製小規模擁壁のCO2排出量に関する基礎的研究
枝澤 啓司澤田 俊明水口 裕之
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2000 年 28 巻 p. 39-45

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抄録

本研究では, 小規模な建設構造物であるコンクリート擁壁と木製擁壁について, CO2排出量を算出した。検討モデルは, 高さ2.0m・延長100mの小規模な擁壁で, コンクリート擁壁及び木製擁壁とも同等の擁壁安定性能を有する。そして, コンクリート擁壁と木製擁壁のCO2排出量の比較と特徴分析を行い, 擁壁構造物に木材を利用する場合の有効性について考察した。その結果,(1) 木製擁壁は, コンクリート擁壁に対して材料のCO2排出量を抑えることができること,(2) 擁壁施工時の木製擁壁のCO2排出量はコンクリート擁壁の約6分の1であること,(3) 木製擁壁の耐用年数が9年のとき, 耐用年数が50年とした場合のコンクリート擁壁と同程度の【CO2排出量】となること, などの知見を得た。

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© 社団法人 土木学会
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