抄録
屋外の人体の体感温度と建築物における消費エネルギーにあたえる環境共生計画の効果を定量的に予測することを試みた。このため, 放射による熱収支解析と建物内部の伝熱・空調消費エネルギー解析を連成した解析システムを構築した。外壁塗装・街路樹を例にとったケーススタディにより屋外温熱環境と空調用エネルギー消費量との関係について考察を行った。街路樹の配置による熱環境改善効果は屋内外で認められた一方, 外壁塗装壁面の短波吸収率を低くした場合は, 空調の消費エネルギーが低下するものの, 屋外の温熱環境指標が高くなるというトレードオフの関係が定量化された。