本研究は日本で現在, 採用されているダイオキシン類 (PCDDs+PCDFs+Co-PCB) に関する耐容一日摂取量 (TDI) の設定根拠である体内負荷量の考え方 (体内負荷量モデル) に着目して, 同モデルに, 既存のデータから推計したダイオキシン類に関する一日摂取量と出生児の体内負荷量の推移データを代入することによって, 過去数十年間における平均的日本人のダイオキシン類体内負荷量の推移を明らかにしようと試みたものである. その結果として, 1970年代前半に生まれた日本人は現在のTDIの生涯摂取時に相当する体内負荷量の3倍近くのダイオキシン類を体内に蓄積させていた可能性があることが明らかになった.