抄録
本研究は, 河川における連続的につながった各所の水環境保全策を経済的に評価するために, 一つの地域をメッシュ単位で捉えるとともに, 地理情報システム (GIS) データベースを有効に活用できる地域間応用一般均衡 (Spatial Computable General Equilibrium: 略してSCGE) モデルを構築した. また同時に, 既存の水環境評価モデルを組み込み, 水環境の物質的な面で評価精度の向上を図っている. そして, このモデルを長良川支川の吉田川に適用し, ある水環境保全策を想定して社会経済システムへの影響を分析し, 費用や便益などを試算することにより, 経済評価手法としての適用性について確認した.