抄録
WBCSDにより提案されたEco-efficiencyにおける価値と環境影響の評価にステイクホルダー毎の異なる視点を導入することによって, 企業活動に外部の価値観を組み込むことや, 操業方針に関する住民等との協議を合理的に進めることを提案した. 市販されている7種の家庭用エアコンに対して企業, 投資家, 消費者, グリーンコンシューマーのそれぞれの立場でのEco-effidencyを算出し製品間での比較を行い, ステイクホルダー毎の評価の違いを明示し, この方法が新製品の開発などの際に有効に用いられる可能性を示した. また, 環境負荷の増大や地域への貢献をもたらす工場の将来の操業方針に対して, 企業, 投資家, 近隣住民, NGO, 行政毎にEco-efficiencyを算出して操業方針間で比較するケーススタディを行い, 合意形成のためのツールとしての活用が可能であり有用であることを示した.