本稿では, 定量的生態系評価のための生息適地指標算出に際し, 回帰木モデルを用いた手法を提案した.この手法を実際の魚類産卵場データに適用し, 環境要素ごとの適性値を結合させて生息適地指標を算出する Habitat Suitability Index (HSI) やComposite Suitability lndex (CSI) と比較した結果, 環境要素選択が容易で, かつ予測値の誤差がやや小さくなることが示された.これにより, Habitat Evaluation Procedure (HEP) やPhysica I Habitat Simulation Model (PHABSIM) における生息適地指標を算出する手法のひとつとして, 回帰木モデルの有用性が示唆された.