抄録
近年, まちづくりにおける新しい市民参加の形態としてワークショップ (以下, WS) が注目されている.本研究では環境保全のまちづくり計画の事例として尼崎21世紀の森構想 (以下, 森構想) を取り上げ, その中での市民ワークショップ (以下, 市民WS) に着目した.WSに関する先行研究, 文献調査をふまえた上で, 市民WSにおいて実施された自由記述式アンケートのテキスト分析を行い, 回答者全体および参加者属性別の「地域の学習」「合意形成」「市民の主体的活動」についての項目の時系列変化を見た.その分析結果と市民WSの運営内容とを照らし合わせることによって, 市民WSの成果を明らかにした.市民の思いと行政の計画進行とのバランスを考慮することを今後の課題として挙げる.