本研究では, 多目的雨水貯留施設を対象施設として, 施設周辺住民に対して施設の存在, その機能の認知度および貯留水利用に対する住民意識や住民による維持管理活動の参加意思を調査した. 貯留雨水の日常的利用に対する住民意識と一部の地域のみの住民が貯留雨水を利用することに対する意識を把握し, 草木への散水など, 住民による簡単な施設の維持管理の可能性について検討を行った. その結果, 貯留水の日常的利用に賛成している人の大半は, 貯留水の一部地域のみの利用でも賛同している. また, 貯留施設の存在やその機能が地域住民に広く認知されることにより, 住民は貯留施設を高く評価し, 貯留水の日常的利用や維持管理活動にも積極的に参加するようになると考えられる.