抄録
本研究では、詩を用いた環境学習プログラムの提案にあたり、詩のイメージ形成効果に着目し、詩を読む前後の言語連想調査によって詩の効果を把握した。調査で使用した詩は金子みすヾの『大漁』である。調査結果から、『大漁』には、人間以外の立場に視線を向けさせる効果があることがわかった。そこで、『大漁』を用いて、立場を変えて考えることができるような環境学習プログラムの可能性について考察した。また、本研究の言語連想調査では、個人のイメージ構造を把握するために「連想マップ」という調査手法を提案し、集団のイメージ構造の有向グラフ化を試みた結果、言葉のつながりの関係性を示すことができた。