雨天時のファーストフラッシュ現象で流出する汚濁負荷の多くは, 晴天時に管路内に堆積したものと考えられるため, CSO流出汚濁負荷量を減少させるためには堆積物が多量に存在している管の分布を理解することが重要である. 本研究では, 分布型モデルを用いて予測した管内堆積物分布状況に基づいて, 晴天時において堆積現象が生じやすい傾向を有する管の特徴を確認するために複数箇所において管内堆積物の観察を行った. その結果, 堆積物が多く存在すると予想された管においては下水の滞留が生じ, 多量の堆積物が存在していることが確認された. そこで, 下水道台帳データと汚濁負荷輸送モデル式 (Ackers-White式) を利用した, 堆積物が局所的に存在する箇所の特定手順を考案し, その管に存在する堆積物量の簡易な推定手法の提案を行った.