地球温暖化対策の1つとして, 大規模風力発電所 (ウィンドファーム) の建設が全国各地で急速に進められているが, 景観を巡る論争がしばしば発生している. 6つのウィンドファームの立地地域住民を対象としてアンケート調査を実施し, 現在立地しているウィンドファームに対する評価について分析した結果, 以下の知見が得られた. 第1に, ウィンドファームの景観は, 海岸立地型については, 普段の生活の中で間近に感じる距離であるほど高く評価されている. しかしながら, 第2に, 景観問題は軽視されるべきではないが, 必ずしも最も重要な論点であるとは限らない. 第3に, 事業主体や行政による情報提供は, 様々な心配と同時に期待を抱かせる可能性を持ち, 総合評価を高める上で重要な役割を担っている.