環境システム研究論文集
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長期的炭素収支に基づく日本国内の森林経営手法の評価
加用 千裕天野 耕二島田 幸司
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2006 年 34 巻 p. 235-243

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抄録

2002年以後100年間の国内人工林を対象として持続的に多くのCO2吸収量が見込まれる森林経営手法を検討した, さらに, 炭素吸収機能を考慮した森林の経済的評価を行った, 京都議定書の第二約束期間以降も伐採木材の取り扱いに関して現行のIPCC Default Approachが採用される場合, 年間平均CO2吸収量が1990年比6%に相当する森林経営手法を提示した. また, 森林経営活動によって吸収されるCO2が将来の国内排出権取引市場で売却可能となった場合, 排出権売却利益を見込んだ森林経営収支は現行の育林補助金と同等もしくはそれ以上の収支改善効果を示した. さらに, 森林経営は省エネルギーなど他のCO2削減施策における限界削減費用と比較して1/15以下の費用負担で実施できる可能性を示した.

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