2006 年 34 巻 p. 293-303
本稿では, 都市間の経済依存と発生環境負荷の時点間変化を, 複数の地域産業連関表を組み合わせて計測し, その比較と要因分解を行なう. 対象地域は, 東京, 北京, 日本のその他地域の2都市, 1地域であり, 比較する時点は92年及び97年, 90年及び95年である. 分析から得られる主要な結論は, 各地域の相互輸出はこの5年間で2倍前後の伸びを示していて, 相対的に東京から北京への輸出の増大が大きくなっている, だが, 輸出1単位当りの誘発環境負荷量の比較や要因分解の結果によれば, 北京での環境負荷は増大しており, その日本との格差は依然深刻であることが分かった. 環境負荷増大の要因は, 北京側での原単位の悪化と日本側での輸出の増大である.