環境システム研究論文集
Online ISSN : 1884-8125
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参照点依存型選好を考慮した非利用価値評価
トラベルコスト法の適用に関する検討
奥山 忠裕林山 泰久
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2006 年 34 巻 p. 315-325

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抄録

ある財や環境質に対し, 個人はどのような基準のもとにその価値を判断しているのであろうか.環境評価論では, 伝統的経済理論に従い, 効用水準に絶対評価基準を仮定してきた.しかしながら, 実験経済学の分野では, 個人の価値評価が何らかの比較対象との相対評価基準に依拠しているとの報告がある.
本研究の目的は相対評価を基準とした選好関係を仮定し, 環境質の利用価値および非利用価値評価に用いるためのモデルを構築することにある.基本モデルとしてトラベルコスト法を用いる.まず, 相対評価を考慮した環境質の利用価値, 非利用価値を定義し, 定性的な分析を行う.次に, 実証可能な関数形を特定化し, 定性分析の知見を確認するため, 数値シミュレーションを行う.

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© 社団法人 土木学会
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