抄録
木造住宅には大量の炭素が蓄積されており, その解体・新築を適切にマネジメントすることは重要な課題である. さらに, 木造住宅は多様な部材から構成されており, それぞれに求められる性能は一様ではない. 各部材の特性を考慮して, 解体材の再資源化技術の選択を行うことが求められる. そこで本研究では, 木造住宅の解体に伴って発生する廃木材を対象として, その部材特性を考慮した循環利用技術の評価を行った. 対象とした技術は, 建材化, 製紙化, 燃料用チップ化である. さらに, 埼玉県における森林の樹齢別の蓄積と, 樹木の成長期間を考慮して, 地域内の木材循環の可能性について検討した.