抄録
発展途上国においてODAによる水供給プロジェクトが実施されているが, プロジェクト後も使用水量は少なく、農村部では水は処理されていない. 著者らは2000年からの発展途上国におけるODA水供給プロジェクトの調査において, 水道検針水量と料金表が得られた4力国12地域等において, 水使用量の影響要因を調査した. 研究結果として水使用量は直接世帯収入に影響されず, 料金体系と水道料金水準に影響されること, 特に使用量の最多値が指標になることがわかった. また, HC (戸別給水) の収入当たりの水道料金は高いので, 経済的節約のための節水している. その目安になっているのが料金体系と料金水準である. 研究結果は料金を決める際に経営の安定, 経営の効率化, 公平性, 貧困者への配慮に応用できる.