抄録
本研究ではモンゴルでの牧草地保全の便益を, 仮想評価法 (CVM) を用いて評価した.モンゴルでは近年, 牧草地内にある井戸の水供給が減少し, 牧民が残った井戸周辺で放牧を行っている. そのため, 限られた井戸周辺に牧民が集中し放牧を行うことで, 牧草地が劣化し, 結果砂漠化が進行している. 今回利用可能な牧草地を拡大することを通じて牧草地を保全するために, 牧草地内に井戸を設置することの, 牧民の支払意志額 (WTP) を推計した. 推計の結果, 牧草地に井戸を設置することにより牧民の利用可能な牧草地が拡大し, 牧草地保全が可能であることを示した.